へもか

憶測以上の確定未満

鯛のビリヤニができました

はじめに

近所のスーパーでよく魚のあらが売られているのだけど、調理に自信がなくおいしそうだなと思いながらも買えずじまいだったところ、「ちゃんと霜降りすればおいしいあら煮になる」と妹から励ましをもらい思い切って購入した。


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おいしそう。

どうしようかな、あら煮もいいけどうちの献立にはハマらなそうだから鯛めしみたいなものになるといいけど、もっとスパイシーな料理が食べたいな、そうだビリヤニにしてみよう。

 

材料

鯛のあら: あるだけ
鶏腿肉: 100g程度(適当にカット)
タマネギ: 100g(スライス)
ニンニク: 1かけ(すりおろし)
ショウガ: ニンニクと同量(すりおろし)
グリーンチリ: 1/2本(小口切り)
ミニトマト: 6個くらい(半割り)

ホールスパイス
マスタードシード: 小さじ1
シナモン: 4cm程度
クミンシード: 小さじ2/3

パウダースパイス
クミン: 大さじ1
ターメリック: 小さじ1/2
チリパウダー: 小さじ1/2
ブラックパウダー: 小さじ1/2
塩: 小さじ1(要調整)

水: 520g
バター: 15g
バスマティライス: 300g(分量外の水で浸水30分)

 

作るぞ

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鯛を霜降りにします。

これは妹も言っていたけど、白ごはん.comさんのやり方でやれば間違いないはず。ウロコを取る段階ですでにボロボロになったけど臭みがとれればいいんです、気にしないで。

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材料が揃いました。*1

バスマティライスは分量外の水に浸水させておく(30分以上)、鍋に油とマスタードシードをスタンバイ、塩はパウダースパイスといっしょにしておく。

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頭のどこかにあら煮のイメージの残滓があり、ついゴボウを足してしまった。

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鍋を弱中火にかける。シナモンの甘いかおりが漂ってもうおいしそうです。

マスタードシードからシュワシュワ泡が出て香ばしいかおりがしてきたらクミンシードを加える、こちらも香りが立ってきたらニンニクとショウガを炒める。

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ニンニクとショウガが焦げるまえにトマト以外の野菜をドン、炒めるぞ。

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オラーーーーッ!

今回はタマネギの炒め具合はしんなり程度でオーケー。タマネギのコクを鯛の旨味とぶつけないイメージ(だそうです)。

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極弱火にしてパウダースパイスを加えて1分くらい焦げないように慎重に炒める。

パウダースパイスが油となじんだかなという感じがしたら、分量の水をいれて中火で煮立て、鯛とバターをイン。弱火にしたら10分くらい煮ます。

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トマト忘れてた。あら、アクアパッツァみたいでおいしそう。
これで鯛のグレービーはできあがり。

浸水させていたバスマティライスをザルに揚げて炊く用の鍋へドサーッ、そのうえにグレイビーもザザーッと流しこんで中火で加熱。沸いてきたら蓋をして極弱火で12分炊く。

蓋をしたまま10分蒸らしたら完成。

 

できた

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うはは炊けたぞーーッ!

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よかった〜!ぜんぜん生臭くない!
バスマティライスに鯛のお出汁がしみしみでおいしい〜!

ゴボウの土っぽい独特な風味、ほんのり香るシナモン、どちらも鯛と相性がいいし、グリーンチリのスッと引いていく辛味も爽やかでちょうどいい。ときどき食べるミニトマトは酸味がギュッと凝縮されていてアクセントになる。

ボイル式のビリヤニは炊き込みごはんがだいすきな日本人の感覚には合いやすそう。

魚のあらへの苦手意識をかなり克服したのでまた買うぞ〜!

 

参考

「菜の花と真鯛のサグフィッシュ」というレシピがあり、鯛に合うスパイスとして参考にしました!

サグ(菜の花)もめちゃ相性良さそうだから合わせてみたい。

「海老のボイル式ビリヤニ」を参考にスパイス量や水量、炊き時間を決めました。



*1:ビリヤニは材料をすべて揃えてから加熱調理へ進めないと、具材追加のタイミングが忙しいのでむずかしくなる

イースト発酵のパンケーキがおいしい

最近、イースト発酵タイプのパンケーキにちょっとはまっています。金曜日の夜に材料をすべて混ぜて冷蔵庫に入れて低温で長時間発酵させて、翌朝ゆっくり起きたら焼くだけでとてもいいかんじ。

なかしましほさんの寝かせるパンケーキのレシピをもとに、生地がかたくてうまく焼けなかったところ等を改造してしまったのでメモ。

 

材料(二人分)

卵: 2コ
牛乳: 300g
砂糖: 20g
サラダオイル: 15g
ドライイースト: 3g
強力粉: 240g

  1. 牛乳をレンジ200wで1分くらい加熱、人肌程度に温める。
  2. ボウルで卵をほぐして砂糖とサラダオイル、1.の牛乳を混ぜる。
  3. 強力粉とドライイーストを混ぜてラップをして冷蔵庫で一晩寝かせる。
  4. 翌朝ゆっくり起きたら(8時間くらい人間も寝る)冷蔵庫からボウルを取り出して常温に戻しつつ焼く。おいしい!

 

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断面がこちら。

こういう気泡の均一なこまかさはベーキングパウダーでは生まれないはず。強力粉100%のおかげなのか異常に加水率の高い配合のおかげか低温長時間発酵のおかげなのか、しっとりもちもち食感。さっくりふわふわしたホットケーキミックスとはまったくの別物。

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生地の甘みは最低限なので、ハチミツやバターで表面に風味をプラスするのがオススメです。

 

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おおむねレシピには満足しているんですが、ドライイーストはすこし調整してみたい。通常はドライイースト1g:小麦粉100gらしく、上記の配合ではドライイーストがやや多い。さらに低温長時間発酵の場合はドライイーストを減らしても良いらしく通常の半分でも十分に発酵させることができそう。

あとはドライイーストからの卒業。

ドライイーストは優秀なので安定しているんだけどおもしろみもないというか、こういう酵母による風味がダイレクトに出る料理は自家製サワードウにチャレンジしてみたい。

発酵は奥が深い。腐敗の恐怖に打ち勝っていつかサワードウを育ててみたい。

こわい

開口部恐怖症。そういうのもあると思う二十二時(黒沢清の「回路」を観ていた)。

あと振りかえって見ちゃいけなそうだなって場所で、そうおもっているのに背中のむずがゆさに耐えかねて振りかえってヒヤッとする、振りかえり恐怖症。

突然の大きな音もいやだな。そういう暴力的なやりかたでビクッとさせられた不快感もある。

動きがおかしいのもだめだな。ユラユラしていたり、ユラユラが止まらなかったり、動きはゆっくりなのに凄い速度で迫ってこられる場合は早めに失神したい。

シンプルに暗がりがこわい。逆光で黒く塗りつぶされた顔とか、表情もどこを見ているのかすらわからない顔と対峙するのがこわい。

てか人間がこわいな。

シャンプーブラシを買った他

七月二十五日

チーズグレーターで削ったニンジンでキャロットラペ、作ってみたいな。表面がザラザラになって仕上がりが違うらしい。

洗い物をして水切りかごに立てたところ、色が揃っているのでいい光景だなと満ち足りた気持ちになった。こういうことありませんか。

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七月二十六日

朝から出ていた現場を離れた。ヘルメットで後頭部の毛つぶれ太郎。

現場から戻った最寄駅付近で豪快に踊る松を見かけて興奮した。だれも気にせずサッサと過ぎていくけど、ここらしい風景でかっこいい。

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七月二十七日

冷凍ブルーベリーを手に入れたので朝ごはんのオートミールがおいしくなった。
ロールドオーツにアーモンドを六粒とドライフルーツをスプーン一杯、スライスしたバナナ、さらに冷凍ブルーベリー。豪華だ。

おいしいよと夫の口にスプーンひとくち運ぶと、「パサパサ」とだけこぼしてパサパサしたものを食べたひとそのものの顔をしていた。会社に向かう途中にその顔を思いだしてちょっと笑った。

 

七月三十日

朝ごはんのオートミールに今日はのこっていた粒あんを足したらとてもおいしくなった。

夫にそう伝えたが信じていない顔をしていた。

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新規コンペのキックオフミーティングに呼ばれているので電車で移動。山手線に乗り換えてシートに座る。隣の男性が本のページを慌ただしくめくっては、何かを書きこんでぶつぶつ言っている。

どんな本に書きこんでいるのか気になってチラッと見た。与謝野蕪村と太字で印字されたページに、赤ボールペンで「俳諧師、絵師、二刀流」と書き込まれていた。とっさに与謝野蕪村が二本の刀を構えているところを想像し、そんなこともあったらおもしろいなとおもった。

 

七月三十一日

シャワータイムにもっとリフレッシュできるといいな、頭皮でもほぐすか。そうおもってあたらしくシャンプーブラシを買った。

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黒くてかっこいいのでukaのケンザンを買った。

手に握ってワックワクで風呂にはいる。もう元がとれるくらいワックワク。

髪をしっかり濡らしてシャンプーを泡立てたところでブラシを当ててジグザグと動かしてみる。頭にしっかりめの突起物がグリグリと当たっているな、というそれ以上でもそれ以下でもない感触。指で洗うより断然効率はいいので頭皮がキュッキュと鳴るほどきれいになった。

シャンプーの泡を流してリンスをなじませてシャワーをしながら頭皮を指でさわると、頭がフカフカしているというかちょっと頭皮が厚くなっている気がする。いま、私、頭がでかくなっているんだろうか。

あわよくば顔の皮膚もひきあげてほしい。ちゃっかり願っている。

火を使わずに南インドカレーをつくる

すっかり暑くなった。せっかくクーラーをきかせているのにコンロの火の前なんて立ちたくない。

ああ、でもスパイスをたっぷりつかった南インド料理が食べたい。火は使いたくない。オーブンと電気圧力鍋を使えばできるんじゃないか。

火を使わずにおいしいカレーはつくれるのか、確認したい。

 

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まずはオーブンを二二〇度に予熱、予熱する庫内でココナッツシュレッドを煎ってもらう。


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オーブンのまえ暑い、オーブンの力つかう、オーブン近寄らない。


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そのあいだにホーローバットに刻んだタマネギとニンニク、ショウガ、青唐辛子。ホールスパイスのファンネルシードとシナモンも載せて油をたっぷりかける。


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オーブンからベビースターラーメンが出てきたかとおもったけど、ココナッツシュレッドでした。

いれかわりでホーローバットをオーブンへ。


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ココナッツはミルサーで水を加えながらペーストに。


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電気圧力鍋にトマトや冷蔵庫にのこっていたトマトサルサを入れて、パウダースパイスをスタンバイ。


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ホーローバットの野菜たちを二十分焼いたところ、色は薄いけど香ばしいかおりがしているのでいいかな。


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電気圧力鍋にぜんぶうつす。

パウダースパイスをいきなり水っぽいところに加えるのに抵抗があったので、せめてローストされたタマネギのうえに。


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スペアリブ。


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だれに言われたわけでもないけど、なんとなく重ならないように肉を敷き詰める。


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ココナッツのペーストをかけたら、加圧調理で15分セット。


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ハイ、煮えました。酢を加えて蓋をはずして仕上げに煮込む。


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ポークロースト(豚肉とココナッツのスパイス煮込み)が無事完成しました。

火を使わなくてもおいしい。

フェンネルシードを油で炒れなかったことが気になっていたけど、食べてみればセリ科特有のさわやかな風味がしていたので十分なのかもしれない。パウダースパイスも炒めてはいないけど、コリアンダーガラムマサラターメリック、カイエンというシンプルな編成のおかげか粉っぽいことはなかった。

なお、バスマティライスを炊くために夫はコンロのまえに立ってくれました(感謝)。

柔軟性

「コンピューターは人のように話せるか」と「デザインリサーチの教科書」を併読していて、人間は何が得意なのか、AI時代にいかに働くべきかという問いが共通して浮かびあがった。AIが苦手なことから人間が得意なことが見えてくるのはおもしろい。現時点でAIは具体的な情報から抽象的な問いを見出すことが苦手らしい。類似性の発見だとか思考のジャンプだとか、呼びかたはいろいろあるとおもうけど「あれがこうだったらな」という妄想は人間にとって簡単だけどAIにはまだむずかしい。

妄想は子供の頃からすきだ。いかに実現するかを考えるのもすきだ。そこに妥協や挫折はあったかもしれないけどカタチになっていくおもしろさと興奮ばかり覚えている。私の妄想を超える発想と実現するひとたちに何度も頭を殴られる。殴られたダメージが分からなければショックを受けられない自分にイライラする。

妄想を口にすることが恥ずかしくなって、家族相手か酒を飲んだときか半分冗談みたいな顔でしか話せなくなっても、そこから何か掴んでやろうとちょっと本気な自分がいるぞという気持ちが自我を支えているとおもう。

しかし私の妄想は飛距離がない。時間や規模や分野に対して興味と想像力と我慢強さが圧倒的に足りない。妄想はどうやって鍛えればいいんだろう。経験なのかな、柔軟性はどうしたら失わないでいられるんだろう。心配している時点でもう柔軟ではないんだろうか。

 

デザインリサーチの教科書

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さみしくなっちゃったって話

七月一日

仕事後に美容院の予約をねじこんだ。引っ越して何年も経つのに相性のいい美容院が見つからなくて、もう数ヶ月行っていなかったからやっとだ。

慣れない美容院に行くのは面倒だけど髪の状態を聞くのは良いのでおすすめしたい。

「毛先傷んでなかったですか」などと聞いて「きれいでしたよ」と褒められればもちろんうれしいし、「傷んでましたね」と答えられても「(ムムッ正直な美容師さんだな信用できる)」と良い美容院に出会えたかもしれないなと勝手にうれしい。

つまりどちらでもいいのだ。どちらにせよ毛先はもう切られちゃってるんだから。オッケーオッケー!

 

七月二日

会社を出ました、と夫から連絡があって三十分くらい経った。こちらは在宅でまだ残業していたけど、机を離れて洗面所で化粧をはじめる。すでに日も暮れていて外に出るつもりもないけどノーメイクのまま夫を迎えるのはあまり好まない。

そういえば子供の頃、夕方になってから母が化粧をはじめるときがあって不思議におもったおぼえがある。出かけるわけでもないのになぜ化粧をするのか分からなかったけど、あれはもしかして父が帰ってくるのに合わせて化粧していたのではないか。

社宅の畳の部屋に置いた化粧台に座って、慌ただしくファンデーションをはたく母を見て、化粧をしない母の肌の色やツヤのほうがずっといいのにと子供的にはおもった。父が帰ってきたらそのことは言わないとな。化粧するまえの母のほうがかわいかったんだけどね、って。

子供の頃はそうおもったんだけどね、化粧しているほうがかわいいだろと大人的にはおもう。夫が帰ってくるまであと三十分。化粧を終えなくては。

 

七月三日

大学時代からの友人が所用で夫と子と都内に来るとのことでお茶の約束をした。

ところが当日になって強烈な大雨で新幹線は四時間以上遅れるし、すでに彼女のあとの予定は迫っているし、でバタバタとした空気になってしまった。

まあ多少短い時間になったところで数年ぶりに会って話すんだから。会って話したぶんだけ会っていなかった時間がシンプルに埋まる。

電車に乗る直前の彼女とホームでギュッと抱きあってまたね、と見送るまでそうおもって深く考えていなかった。解散してみるとこれでまた離ればなれなんだと気づいた。

会っていなかった時間は会うと埋まるより鮮明になる。まあ、なんだ、その、さみしくなっちゃったって話。