七月二十五日
チーズグレーターで削ったニンジンでキャロットラペ、作ってみたいな。表面がザラザラになって仕上がりが違うらしい。
洗い物をして水切りかごに立てたところ、色が揃っているのでいい光景だなと満ち足りた気持ちになった。こういうことありませんか。
七月二十六日
朝から出ていた現場を離れた。ヘルメットで後頭部の毛つぶれ太郎。
現場から戻った最寄駅付近で豪快に踊る松を見かけて興奮した。だれも気にせずサッサと過ぎていくけど、ここらしい風景でかっこいい。
七月二十七日
冷凍ブルーベリーを手に入れたので朝ごはんのオートミールがおいしくなった。
ロールドオーツにアーモンドを六粒とドライフルーツをスプーン一杯、スライスしたバナナ、さらに冷凍ブルーベリー。豪華だ。
おいしいよと夫の口にスプーンひとくち運ぶと、「パサパサ」とだけこぼしてパサパサしたものを食べたひとそのものの顔をしていた。会社に向かう途中にその顔を思いだしてちょっと笑った。
七月三十日
朝ごはんのオートミールに今日はのこっていた粒あんを足したらとてもおいしくなった。
夫にそう伝えたが信じていない顔をしていた。
新規コンペのキックオフミーティングに呼ばれているので電車で移動。山手線に乗り換えてシートに座る。隣の男性が本のページを慌ただしくめくっては、何かを書きこんでぶつぶつ言っている。
どんな本に書きこんでいるのか気になってチラッと見た。与謝野蕪村と太字で印字されたページに、赤ボールペンで「俳諧師、絵師、二刀流」と書き込まれていた。とっさに与謝野蕪村が二本の刀を構えているところを想像し、そんなこともあったらおもしろいなとおもった。
七月三十一日
シャワータイムにもっとリフレッシュできるといいな、頭皮でもほぐすか。そうおもってあたらしくシャンプーブラシを買った。
黒くてかっこいいのでukaのケンザンを買った。
手に握ってワックワクで風呂にはいる。もう元がとれるくらいワックワク。
髪をしっかり濡らしてシャンプーを泡立てたところでブラシを当ててジグザグと動かしてみる。頭にしっかりめの突起物がグリグリと当たっているな、というそれ以上でもそれ以下でもない感触。指で洗うより断然効率はいいので頭皮がキュッキュと鳴るほどきれいになった。
シャンプーの泡を流してリンスをなじませてシャワーをしながら頭皮を指でさわると、頭がフカフカしているというかちょっと頭皮が厚くなっている気がする。いま、私、頭がでかくなっているんだろうか。
あわよくば顔の皮膚もひきあげてほしい。ちゃっかり願っている。