十一月二十八日
サイゼリヤに行こう、と友人夫妻とその娘ちゃんと約束していたので向かう。サイゼリヤでフルコース風に注文をするとすごくたのしい。
サイゼリヤと言えば、学生の頃に映画を観たあと映画の感想を言いあったりしながらドリンクバーを頼りに過ごす場所、くらいのイメージしかなかった。でもそんな語るほど夢中になれる映画に出会っていなかった気がする。自分の好きな映画を見つける方法が分からなかった。
あの頃、何を観ていたんだっけ。
注文はイナダシュンスケさんのコースを元にしました。
十二月一日
昼前からはじまった打合せが長引いた。昼食を求めて会社の外に出ると冷たい風が心地良い。コンペのプレゼンが明日に迫り、朝食を食べる時間に起きられるはずがなく、昼はコンビニのパンかコンビニのパンをレンジで温めてもらったもの、まともな夕食もとらず寝ている平日の生活に気づきドッと疲れを感じた。
火で。火で調理されたもうもうと湯気の立つ食事をとりたい。とらねば。
行ったことはないけど、福しんはちゃんと火で炒めたチャーハンを作ってくれる気がする(火で炒めないチャーハンを出す店ってあるのだろうか)。線路を越え会社最寄りの福しんへ向かった。
十二月四日
水曜にコンペが終わり、やっと金曜。気持ちは閉店していたのに帰宅は二十二時。
コンペ中は会社では夕食も間食も食べられず、日付変更線を越えて部屋に帰っても食べると寝る体力がなくなりそうで味噌汁等で空腹を紛らわしてベッドにはいっていた。
もう限界だ。私にも食べたいものくらいある。今日はカレーだ。ぜったいスープカレー。冷蔵庫を開ける。大根と牛蒡と玉葱と納豆。ミニトマトは萎れちまった。
大根と牛蒡と玉葱を切って全部鍋で炒めて納豆もドン。
適当にスパイスを入れて水となにかの出汁の粉と塩で煮えるまで煮る。力任せだ。こっちはどうしてもスープカレーが食べたいから必死だが、納豆も徹底抗戦の構え。ガラムマサラを追加して捻じ伏せにかかるが、まだ足りないか。ブラックペッパーを小さじ半ほど投下し鎮圧した。
こうしてよくわからないスープカレーができた。
私としてはよくぞここまで鍋を制したと思ったが、一口味見してくれた夫は何も言わなかった。人の食べているものにけちをつけない。本当に上品なひとだとおもう。
あ、結婚しました。