へもか

憶測以上の確定未満

メモから

山手線に乗っている。布のマスクをした頭髪の薄い中年男性が扉のまえに仁王立し外を見やっている。連れの女性に話しかけられて、「外を見てる。街がどうかわったかなと思って」と宣ふ。どちらさまなのか。

会社からの帰り道、お腹が空いてコンビニに寄りそうになるとき。なにも食べるなと言い聞かせるより、「明日の昼に食べよっか」と延期すると自分を騙しやすい。もちろん翌日も延期される。

凡の人たる自分は欲望に向き合うこともなく、何もかもごまかして先延ばしにして、ただ老いていく。結びを「老いていく」にするとだいたい虚しい。価値観が、若さや新しさにぎゅうぎゅうに縛られているせいか。様々なものに想像も及ばない様々な価値があります。価値観こそ柔軟で良いはずなのに、もう音が硬そうだ。カチカン。

また電車。隣に座ってくれるなとばかりに空いた三席の真ん中に座って大股を広げていた若い男性。その暗黙のメッセージを察して座ることを選ばない比較的まともな人は寄りつかず、メッセージを感知しないやや無神経であろう高齢者が横に座り仕上げに新聞を広げるのだった。ぎすぎすした空気がわずかに流れた気がした。

若い彼が隣大歓迎という空気を醸すことができていたらハッピーエンドだったのだろうか。やや無神経なひとにはなにも関係ないだろうから結局バッドエンドだろうか。とはいえバッドエンドというほどバッドではない、というかエンドもしていない。

図書館が復活したので本を借りて読む生活を取り戻した。

「未来をつくる言葉」「しらふで生きる」「ヒトはなぜ笑うのか」「ツァラトゥストラかく語りき」「プレイ・マターズ 遊び心の哲学」「精神と自然 生きた世界の認識論」「小さな空間から都市をプランニングする」をひとまず借りている。

 

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