へもか

憶測以上の確定未満

ピザをつくろう

ない、休日にやることがない。

仕方がないのでピザ生地をこねる。レシピはなんでもいい。正直なところ生地のレシピより焼きかたのほうが味を左右するとおもう。

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生地は乾燥しすぎしないように意識して手早くこねる。

これがパンだったら生地を薄く広げたときにブチブチとちぎれず、グルテンの強い膜が確認できるまでこねるのだけど、もうこのへんでいいだろう。ピザだから。ピザというだけでだいたいはオッケーになるのだから。

 

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こねた生地がひときわかわいいのは一次発酵前のこのとき。

すぐ食べるのであればこのまま室温で発酵すればいいけど、翌日食べたければ冷蔵庫で一晩寝かせよう。発酵は高温なら一気にすすむし、低温ならゆっくりすすむだけの話。こまかいことは大丈夫、ピザだから。

 

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翌朝、怪物のように発酵した。

 
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各種材料を用意。

具材はなんでもいいけど、十字に切れ目を入れてギュッと潰して種を絞りだしたミニトマトを塩で締めたものはあるといいとおもう。スライスした大きなトマトより旨味が濃く水気が出にくい。というか、サルヴァトーレでバイトをしているときはこれの仕込みを散々やらせてもらった。


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カチョカバロでピザやったらすっごくおいしいんじゃない?


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ハラペーニョのピザがすき!

鉄板ごと最高温度(二五〇度)に余熱したオーブンへ。

十分くらい焼く。なんとか十分で焼きたい。長く焼くほど生地が乾燥してカチカチに硬くなってしまうので。

扉の開け閉めは超シビアに。

 

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ベーコンとアボカドとカチョカバロのピザが焼けました。

具材はグツグツと焼けておいしそう。ただ、耳(コルニチォーネ)だけは不味そうで悔しい。

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ゴルゴンゾーラクルミとはちみつで〆。

コルニチォーネの出来が納得できなかったので、バーナーで炙ってからオーブンで焼いた。敷いていたアルミホイルが燃えた(アルミニウムの炎色反応は可視光線ではないためおもしろみがない)。

 

好きな具材でピザを焼いてたのしかったし、不味くはなかった。が、焼きがまったくダメ。焼きの良し悪しは、コルニチォーネと生地の裏側をチェックすれば目安になる。

薪窯は四五〇度まで熱くなるのに対し、うちのオーブンレンジは二五〇度なので、温度が絶望的に足りない。

噂によるとご家庭の魚焼きグリルは三〇〇度以上になるらしい。次はフライパンで底を焼いてから魚焼きグリルで仕上げてみたい。

まだまだ時間はありそうなので。

ピザトーストをつくろう

みんなだいすきピザトーストですが、だいすきすぎるせいでこだわりがあるものです。

まずはソース。パンにオリーブオイルをツツーッと垂らしたらケチャップをたっぷり盛る。おろしたニンニクをほんのすこし小指の先くらい、チューブで十分。朝からニンニクおろすと指が一日ニンニクになっちゃうから。

一面にオレガノと好みの量のブラックペッパーを振りかけ、混ぜながら全体に塗る。

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具はチーズから載せれば、あとはもう冷蔵庫次第です。
今日はアボカドとベーコンが見つかったのでそういうことにしました。

ぜんぶ載せたらオリーブオイルをツツーッと垂らします。念のためです。
具材によっては味が結構ボケるので塩もしっかり振っておきます。

ピザは塩っぱいほうがおいしいから。

でもタバスコをかけられる余地は残しておきたいと思います。ピザトーストはタバスコをかけて完成するものであってほしい(個人的な意見)。

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オーブンは余熱せず二五〇度にセットしたら、パンを放り込んで二十分くらい焼きます。焼いている時間が長い。つらい。コーヒーとか飲みものを用意しているとすこしまぎらわすことができる。

黒糖コーヒーシロップを前の日に作っていたので、今日はコーヒー牛乳をつくりました。

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できました。
ソースにちょっと工夫するとぐっとおいしくなるので、ぜひ。

三時間の散歩

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好きです。社宅育ちのせいか。

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だれかの部屋の明るさを窓から見るのが好きです。

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生活が愛しい。

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アコーディオン横引きシャッターだ。

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見て、フォントがバラバラ。

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脚付きをふたつ並べると動きが出てかわいい。

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外からみる台所 ver.空き家。あちこちに穴が空いていて人気がないのに、窓辺に鍋もやかんも残されていてその生活感がこわかった。

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あ、屋外放置家具だ。

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良さそうなパン屋さんがあったので買って食べ歩き。これはゴルゴンゾーラとハチミツ。とてもおいしい。

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屋外放置家具、ふたたび。

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淡く色のついた光のタトゥー。これはめずらしいかも。

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夕陽を受けるベランダのヤシ、ソテツ。

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すっかり夕暮れになってしまったけど無事ビリヤニセンターのビリヤニを持ち帰りました。

ケンタッキーのオリジナルチキンにいちばん合うスパイスを探す

ケンタッキーのチキンにいちばん合うスパイスはだれだ。
今回の挑戦者は以下の四名。

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左から、ブラックペッパー、すだち七味、花椒、五香粉です。

 

ブラックペッパー

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オリジナルチキンにまぶされた11種類のスパイスに入っているにちがいないので合わないわけはないが、わざわざ追加するスパイスとしては正直物足りないだろう。

あまり期待せず口にすると直接舌に触れたブラックペッパーはピリッと抜ける辛さが際立ち、うまい!

 

すだち七味

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七味は日本のミックススパイス。

ただでさえ11種類のスパイスの衣をまとっているのに、七味(正確にはこの製品は六種の素材を使用)を追加してしまっては風味の渋滞がおこるのではないか。

一抹の不安とともにふりかけた七味から柑橘らしいキリッと酸味の立ったスダチの香り。これがチキンにあい、うまい!

花椒

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夏頃でしょうか、期間限定で四川風麻辣チキンが供されていたのは。
公式が出しているくらいなので間違いない。

ジュワッと滲むチキンの油にヒリヒリ花椒のしびれるストイックな辛さが加わり、うまい!

 

五香粉

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中華のミックススパイス、五香粉。
八角、シナモン、クローブ花椒、陳皮、そのなかでも八角やシナモン、クローブによる濃厚で甘く複雑な風味が魅力。

これがね、塩気のチキンに甘い香りが加わると、またうまい!

ちなみにハーゲンダッツのチョコレートに五香粉をほんのすこしかけるととてもおいしいので、覚えておいてほしい。

 

結論

ぜんぶ、うまかった。

 

反省

天下のケンタッキーのチキンに合わないスパイスがあるわけがなかった。

逆に合わないスパイスや調味料を考えるほうがむずかしいかもしれない。「 オリジナルチキン+ビスケット+メープルシロップ」のセットからもわかるように、あのチキンは甘い系とも相性がいい*1

あとはインドのスパイスと対戦させたい。

*1:もちろんそれを踏まえて五香粉をエントリーさせたのだけど。

「掃除婦のための手引き書」を読みました

ひょっこり一日だけ暖かな日があった。リスやカササギがおしゃべりし、スズメとフィンチが裸の木の枝で歌った。わたしは家じゅうのドアと窓を開けはなった。背中に太陽を受けながら、キッチンの食卓で紅茶を飲んだ。正面ポーチに作った巣からスズメバチが入ってきて、家の中を眠たげに飛びまわり、ぶんぶんうなりながらキッチンでゆるく輪を描いた。ちょうどそのとき煙探知機の電池が切れて、夏のコオロギみたいにピッピッと鳴きだした。

世界だ。

庭の光景からはじまって、背中に太陽の熱を感じ、蜂のとびまわる音が部屋の広がりを伝え、そこに天井からの煙探知機の電子音が重なる。文章を読んでいることを忘れて世界にいた。ブンとうなって頭のうしろを過ぎる蜂と天井からの電子音を聴いた。

入江にボートを引き上げると、二人は突き出た岩から緑色の水に飛びこむ。水は魚と苔の味がする。

口に味が広がるのを感じる。湖に飛びこんだ、次の文章で水の味。水飛沫でも水音でもなく、水の味。かっこよすぎる。 

野暮ったい仕掛けではなく、純粋に力の強い文章が気持ちいい。

ストーリーももちろんよかったけど、ちょっとストーリーを忘れるくらい純粋に文章がうまかった。うますぎた。もっと読みたい。

誕生日にレゴを贈ってもらった話

恋人から誕生日の贈りものが届いた。

部屋でひとり開封しても佗しいので、箱を傾けて音を聴いていた。カラカラカラと小さなものが流れる音。それは子供の頃にレゴブロックのはいった大きなプラスチックのケースを傾けてパーツを探していたときの音にそっくりで、ケースに顔を突っこんだときのプラスチックの匂いまで思いだすくらいだった。

中身はなんだろう。レゴのことを思いだしただけでもうなんだかうれしいな。

週末になって恋人が遊びにきたのでついに箱を開けた。

 

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レゴーーーッ! やはりおまえだったのか!


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ハアみてください、新品のレゴです、いったい何年ぶりでしょう。


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あきらかな骨パーツは見つけただけでにやにやしちゃうね。


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レゴ骨格かわいい。絵本のようにレゴの取説を何度も読んだよね。


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新品のレゴってこんなピカピカだったのか。


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ツルツルパーツをこんな敷き詰めたこといままでないね。


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ハイ、かわいい。

 

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踏むともっとも痛いパーツの記録が更新されるのではないか。


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このレール状のパーツに肋骨にあたるパーツを取りつける。

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もうこのまま転がしておいてもかっこいいな。


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レゴを組むたのしさと化石を組むたのしさが完全にオーバーラップ(化石を組み立てた経験はない)。


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白いパーツだけの袋、私にはもうバラバラの化石にしか見えない。


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可動する関節は三種類を使い分けている。
これは溝に合わせてカチカチと角度がつけられるもの。


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尾ができた。あとは頭部をガガッと組んで。


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トリケラトプスができました。

背中のカーブや後脚の長さといった全体のバランス。足指に漂う重量感と骨のスカスカ感のギャップ。どこをとっても化石をまえにしたときの発見が綺麗にレゴへとデフォルメされていて感動する。すごいよねえ。

まだティラノサウルスプテラノドンがあるのでたのしみです。

俺のIUT理論の衝撃を聞け

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

読みおえました。

IUT理論というのは宇宙際タイヒミュラー理論のことで、あのABC予想を解決するという画期的な理論です。それを300ページ足らずで理解することができるならすごい。ABC予想を解決するため、IUT理論では異なる数学の正則構造を持つ宇宙を複数用意して宇宙をつなぐ必要があり、こういうタイトルになっている。

まとめると何を言っているのか分からなくなってしまうけど、数学に詳しくない読者に数式をほとんど使わず理論ひとつを説明してみせるのは読んでいておもしろい。技術的な数式にはほとんど触れず、基本思想の解説に限られるので数学ガチ勢は物足りないかもしれない。

実際、IUT理論を解説する本ではなく、IUT理論の衝撃を解説する本だと書いている。

IUT理論の衝撃を語るために本一冊書いてしまった。読む"興奮したオタクのとっちらかった話"といえばいいのか、ひとつの解説をすこしずつちがう表現で繰りかえす奇怪な文章で展開される。

へえって思うかもしれませんけどね、実際に読んでいると、数学界異端のヤバイ集会にまちがって踏みこんでしまった気分。繰りかえしの説明が親切だとも言えるけど、さっきの文章となにか違うのかなと戻って読む作業を繰りかえすことになるのでけっこう疲れる。

第8章(266/297ページ)にして、

この本の内容も、いよいよ佳境に入ってきました。

じゃねえんじゃ! 進行管理どうなっとるんじゃ! しまいにかかれや!

どこに連れていかれるのか分からないこの文章はもはや滝沢カレンさん。数学界の滝沢カレン*1

IUT理論を無事説明できるのか、最後までスリルに満ちています。

*1:さすがにおかしいだろと思ったら、イベントでの講演を書籍化したものだと最後にネタバラシがされました。