恋人から誕生日の贈りものが届いた。
部屋でひとり開封しても佗しいので、箱を傾けて音を聴いていた。カラカラカラと小さなものが流れる音。それは子供の頃にレゴブロックのはいった大きなプラスチックのケースを傾けてパーツを探していたときの音にそっくりで、ケースに顔を突っこんだときのプラスチックの匂いまで思いだすくらいだった。
中身はなんだろう。レゴのことを思いだしただけでもうなんだかうれしいな。
週末になって恋人が遊びにきたのでついに箱を開けた。
レゴーーーッ! やはりおまえだったのか!
ハアみてください、新品のレゴです、いったい何年ぶりでしょう。
あきらかな骨パーツは見つけただけでにやにやしちゃうね。
レゴ骨格かわいい。絵本のようにレゴの取説を何度も読んだよね。
新品のレゴってこんなピカピカだったのか。
ツルツルパーツをこんな敷き詰めたこといままでないね。
ハイ、かわいい。
踏むともっとも痛いパーツの記録が更新されるのではないか。
このレール状のパーツに肋骨にあたるパーツを取りつける。
もうこのまま転がしておいてもかっこいいな。
レゴを組むたのしさと化石を組むたのしさが完全にオーバーラップ(化石を組み立てた経験はない)。
白いパーツだけの袋、私にはもうバラバラの化石にしか見えない。
可動する関節は三種類を使い分けている。
これは溝に合わせてカチカチと角度がつけられるもの。
尾ができた。あとは頭部をガガッと組んで。
トリケラトプスができました。
背中のカーブや後脚の長さといった全体のバランス。足指に漂う重量感と骨のスカスカ感のギャップ。どこをとっても化石をまえにしたときの発見が綺麗にレゴへとデフォルメされていて感動する。すごいよねえ。