へもか

憶測以上の確定未満

男性の色気に関する短い考察

先日、某ヒップホップMCのDJイベントに行ったときのこと。

伸びた前髪がひたいにかかっているところがやたらと色っぽかった。なぜこんなことがこんなにぼくの心のやらかい場所をいまでもまだ締めつけるのか。

すべすべとした白い陶器に黒っぽい糸が垂れさがっていてもそこに色気があるわけもなく(正直に言ってひたすら意味がわからないだけだ)、図として抽象化されても共通する性質や特性を見出すことは不可能であることから、光景だけが心を捉えているのではないと考えられる。

ただ場の一瞬の熱狂のためだけに、集中して我を忘れている、ひたむきさみたいなものが、たぶん色っぽかったんだと思う。坂口安吾の「続戦争と一人の女」に書かれていた覚悟を決めた男がこんなに可愛いなんてという文を思いだし膝を打った。そうだ、他の選択肢には目もくれず平然と投げうつ覚悟がきっと男性の色気の正体なのだ。

以上です。ご清聴ありがとうございました。