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へもか

憶測以上の確定未満

寿司が食べたい

寿司が食べたい。寿司を持ちあげ、チョンと醤油につけると同時にパッと魚の脂が醤油の黒い湖面に広がり、期待の歓声が心のなかであがる。舌の熱で融けたネタの旨みと、ほのあたたかなシャリが口のなかでほぐれ、混ざりあい、私は惜しみない拍手をおくるようまばたきをするしかない。そんな寿司じゃなくても構わない。スーパーで半額のシールが貼られ、米と米のあいだの空気を失い冷たくかたまった酢飯に、なんの仕事もなされていない生魚のスライスが載せられているだけの、習慣的に、便宜上、寿司とそう呼んでいるだけの寿司でも構わないんだ。ああ、寿司が食べたい。(ここまで10分)