はじまり
もっと私たちは労われて良い。
ふと気づいた私と妹は、絶対に外出の必要がない木曜日の午後と金曜日を万難を排して確保し、ド平日の温泉地の宿を予約した。木曜午前、現場確認や客とのウェブミーティングを各自迅速に終え駅で集合、湯河原へテレワークに向かった。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (1): 気が狂わない
部屋でずっとひとりで過ごしていると正常なのか狂ってきたのか分からなくなる。ある日、きちんと化粧をして部屋で仕事していたが、その日は部屋を出ることもなく宅配便すら受け取らなかったので誰にも会わなかった。誰にも見られることもないのに朝化粧をして夜化粧を落とすのは正常なのか狂っているのか、微妙だった。
昼休みを利用して電車で移動するだけで、いつもと違う環境が迎えてくれる。
いつもと環境がちがうだけでワクワクするし、化粧をしても超正常です。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (2): 心の余裕がスゴイ
PCを抱えて宿の屋上にある足湯へ向かう。
平日の雨模様の夕方、人がいるわけがない。
妹は言った。ここで仕事しよう。
うはははは〜
ぽっかぽかの足、雨音に囲まれて冷たい風が頬を撫でる。正面へ目をやれば山に漂う雲が絶え間なくかたちを変えながら流れていく。
足湯だけで強くなれる気がしたよ。気が大きくなって安請け合いしないようにするのがたいへんだった。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (3): ボーッとしていてもごはんが出る
ああ、仕事だけしていればいいってなんてラクなんでしょう。
どんどん料理が出てきて、手の込んだ海鮮料理をたっぷりいただきました。
部屋にもどると布団が敷かれていて涙した。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (4): ボーッとしていても朝もごはんが出る
え、朝ごはんまで!
そんな! たたいた赤身と納豆をごはんと海苔で包んでチョンと醤油につけて朝からいただいていいんですか!
昼ごはんはちょっと趣向を変えてシチリア料理の店へ行きました。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (5): 休憩の散歩に心踊る
見知らぬ土地の散歩は最高です。
何を見ても新鮮でどこを歩くのも自由です。
温泉地の源泉ぜったいさわる妹。ここはめちゃくちゃ熱かった(私もさわった)。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (6): 作業場所を見つけただけでうれしい
宿の滞在を昼まで延長し、昼からは二軒の喫茶店をハシゴして仕事した。
妹が店の目星をつけてくれていたものの行って見ないことにはPCを広げて大丈夫かは分からない。
結局はどちらの喫茶店でも気持ちよく仕事することができて、ひとつはWi-Fiのパスワードまで教えてくれた。こちらが作業場所を見つけたというより店に受け入れてもらった。旅先で居場所を与えてもらったようでうれしかった。
ハシゴの途中で寄ったみかん問屋のみかんジュースがおいしかった。
問屋のお姉さんが元気よく気持ちのいい人で、もういっちょ働くぞ!とおもった。
エクストリームテレワークのここがスゴイ (7): 達成感があふれる
金曜の定時で仕事は終了とした。
足湯や温泉や食事といったご褒美が常にあるため、ぜったいに定時で仕事を終えたい気持ちが強く、正直なところ普段より真面目に働いていた。
仕事もしたし、温泉旅行もたのしんだ。やりきった。
このまま週末泊まってもたのしいだろうけど、今回は帰ります。
夕暮れから夜の街の景色がやたらとエモい。
また癒してくれ、湯河原。