へもか

憶測以上の確定未満

直感

五月九日

二週間くらいつきっきりでやったコンペの返事があり落選したとのことだった。単純にあれが実現しないのもったいないなと思って、そのままつい「なぜですか」と聞いた。

事業主曰く「第一印象では御社だったが社内で検討を重ね他社に決定した」そうだ。正直に言えば挑戦的な計画だったので、マンションデベの”社内で検討”されたら勝つのはむずかしかったんだろう。あとから思った。

チッ、おまえはおまえの第一印象、直感も信じられないのかよ。

直感と考察のバランスについて思う。

漠然と感じる気持ちよさや妙な居心地のわるさを見過ごさないで敏感でいたい。一方でなぜそう感じるのか観察して理由を知りたい。フィーリングにとどめずロジックを組み立てては壊したい。そうして直感を要素に分けて捉えても、要素から直感の再構築はできないような気がする。そういうものを作ろうとした白々しさに、何かが芽生えることはないんじゃないか。だから偶発的なものがひっそり宿る隙が好まれるのではないか。隙ってなんだろう。そもそも直感はそれをもとに考察できるほど正しいことがあるのか。

そんなことを考えていた。