シリーズ、"知っているけど食べたことないものを作る"。
今回はトンポーロー。
たしかあれは学生時代のこと、長崎旅行でトンポーローまんを食べた。わ〜角煮だ〜、と思った。ただしいトンポーローはいただいたことがない。
さあ、トンポーローが成立する要点を押さえ正確無比なトンポーローをつくろう。食べたことはないけど。
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シリーズ、"知っているけど食べたことないものを作る"。
今回はトンポーロー。
たしかあれは学生時代のこと、長崎旅行でトンポーローまんを食べた。わ〜角煮だ〜、と思った。ただしいトンポーローはいただいたことがない。
さあ、トンポーローが成立する要点を押さえ正確無比なトンポーローをつくろう。食べたことはないけど。
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まず牛蒡を出汁で煮る。醤油とみりんと砂糖を加えて適当に煮たら火から外して冷まして味を含ませる。
米を火にかける。しっかり吸水させておいたので米がまっしろ。
そのあいだに出汁巻き卵を巻く。焼きあがったらラップと布巾で包んで形を落ち着かせておく。卵ふたつ(約120g)に対し出汁を60g加えた2:1の比率は卵液がやわくてちょっと苦労した。
なんにしても卵料理はのどかな山吹色をしているわりに慌ただしく調理されるように思う。
ワー、米が炊けました。蓋を開けて米の炊けた光景が広がっていると(炊いていたんだから当然なんだけど)ワーと口にしてしまう。なんだろう、朝起きたら一面ふかふかに雪が積もっていたときと似た気持ちだと思う。
蓋をもどして蒸らしておく。
出汁巻き卵はなんとか形になっていた(よかったよかった!)ので切り分ける。
酢に砂糖と出汁を合わせた寿司酢らしきものを米に混ぜながら風を当て冷ます。
適当につかんでうちわにしていた封筒が前の職場から送られてきた源泉徴収票のものだと分かったらなんだか米が不味くなりそうだなと思い、洗面所からドライヤーを持ってきてクールの風を当てる様子を想像したけどさすがにやらなかった。
ハイ、巻けました。
断面を見てくれ、正月に包丁を研いだから、このシャープでエッジーな太巻きの断面を見てくれ。
VISION GLASSで味噌汁をいただく。
熱くて持てないし一年ぶりのリセットを決めて底から混ぜてしまった水槽にしか見えないしまったくメリットがない。そんななか具材のワカメがリアリズムを追求しているのがお茶目ですよね。
実家の鳥が飛べなくなった。
飛べなくなったのは年始のことで今は快方に向かっているからもう笑い話だけど、実家で飼っている鳥(五歳になるオカメインコ)が飛べないと最初に知らされたときは冗談かと思った。しかし母の真剣な様子だとどうやら本当に飛べないらしい。鳥が、飛べない。おそらく怪我をしたんだろう。翌日には実家に帰る予定だから状況を細かく聞くより会ったほうが早い。体力を消耗させないよう暖かくしてあげて、と伝えてはみたけど鳥の飛べない様子というのがあまりうまく想像できなかった。
実家に帰ってみると鳥は元気よく歩きまわっていた。タカタカタカタカッとリビングの机を爪で鳴らして捕まえようとする人の手を素早くかいくぐって、得意気に歩きまわっていた。そうして歩いて端まで来たらスッと小さくかがんで机の端を蹴る。いつもなら自分のカゴまで飛ぶのだけどあきらかに飛びあがるための羽ばたきが足りず、着陸のための減速もできず、翼を広げたまま机からただ滑空し床にパサッと落ちた。完璧な不時着。
びっくりして翼がひらいたままの鳥を急いで拾って手で包むように撫でつづけた。ぐったりと力が抜けきって撫でられるがまま頭が羽に埋もれていってしまう。撫でるほど丸くなっていってさながら豆大福。ショックで放心しているとしか言いようがない。どう見ても落ちこんでしょんぼりしている。
人は、鳥がしょんぼりしていたらこちらも悲しくなってしまう生きものです。
真剣に観察したけど外傷はなさそうだった。家族で話しあいのすえ、飛べなかったことによるPTSDだろうと結論づけた。
そこからは放鳥中できるだけ飛ばさせないように鳥の望む場所に手で運んだり、また不時着を繰りかえしてしまった時もすかさず拍手(爆発的な拍手をしてはいけない、鳥を驚かさない程度の柔らかな拍手)をしながら拾いに行き「いいよ!飛べてる!飛べてるよ!」と褒めたり、妹とキウイやカカポの動画(エミューやダチョウは走行能力が強調されるため不適切であると思う)を見せたり、それでもやっぱり落ちこんでいたら鳥が飽きるまで撫でながら「いいのよ、大丈夫よ、飛べない鳥もいるのよ」と口ずさんで鳥を支えた。
結果、まず着陸のための減速ができるようになった。
これが出来た途端、鳥は若干得意気であった。それまでのようにひどく落ちこむこともなくすぐにエサをポリポリと食べた。
そして、ついに鳥が飛んだと母から連絡があった。
滑空ではなくちゃんと飛んだらしい。鳥が飛んだだけでこんなに嬉しかったのは鳥が雛だった時以来だ。
うちの鳥は雛の頃にレースカーテンのおもしの鉛を噛んで重金属中毒で死にかかっている(住宅メーカーのことは憎んでいます)ので将来的にどんな体調不良が出てもおかしくないと獣医には言われているけど、年始からほんとうに心配した。
飼っている鳥が飛べなくなったときはご参考ください。
鳥も突然飛べなくなることがあるんだから人もいろいろあるよね。
下味に漬けた鶏胸肉を茹でるだけの鶏ハム。
割いて野菜と合わせてサラダにしてもおいしいけど、私はホットサンドで食べるのが好きです。鶏ハムをチーズと一緒にパンに挟んで表面にバターを塗って香ばしく焼く。
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あけましておめでとうございます。
2017年。とてつもなく未来にきてしまったものですね。
10代の頃の自分からみたらもはや私も疑う余地のない中年でしょう。積みあげてこれたものがあるかなと見渡してみても何も思いあたらず不安な気持ちになりましたが、尊敬する友人たちとの交流があることを心強くそして嬉しく思います。
その時間に報いることができるよう日々努力する年にしましょう。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
週末には恋人と会って普通の休日をのんびりと過ごせることが嬉しくて、付きあいはじめの頃のような浮かれた気持ちでふわふわしている。
週末の食事に何を作ったら喜んでもらえるかなって、会社の昼休みに考えている。
月曜の会社の忘年会はとても疲れたけど、私の採用が決定してから配属されるまでに部長が「すごい子が来るんだよ〜」と何度も嬉しそうに噂話をしていたということを隣の課の方から聞いてどんなに嬉しかったか。
おそらく「すごい子」ではなかっただろうし、すぐに期待に応えることはないだろうし、そのまえに何度も失望させることになるだろうけど、いつかそんな部長の気持ちに報いることができるといいな。
自分のやりたいことに集中できる今がありがたい。
今日は転職した会社に初出社だった。
定時退社をさせてもらい電車に乗って降りてマンションの扉を開けてコートを脱いで鞄を置いて、驚いた。
朝から仕事だけして、ひとりきりの部屋に帰ってくることが、こんなにさみしくてつらいとは思わなかった。あれ、みんなどうやって耐えているの、これ、って戸惑った。
二十代前半の、就職してひとり暮らししたときはぜんぜん違った。自分で稼いで暮らしていることが誇らしくて、部屋にひとりでも自分だけの空間になっていることが楽しかった。仕事が何一つ分からないことは不安だったけどそれ以上に興奮していた。
初日の仕事には充実感がないせいもあるだろうと思うけど、こんなに違うとは。しみじみ。明日は部屋に帰ってきたらどんな気分だろう。今日より良いといいな。